前回Vol.5では、中古戸建て住宅を購入する際のチェックポイントについて解説しました。今回は、中古マンションについて解説いたします。
中古マンション購入時の注意点
中古住宅の中でも中古マンションは中古戸建て住宅にはないチェックポイントがあります。
(1)日常の管理が適切に行われているか
マンションの価値は管理であるともいわれています。特にエントランスや駐輪場、ごみ集積所、植栽などの共用部分がきれいに保たれているかは管理の状態を測る重要なチェックポイントです。併せて、売主からのヒアリングや管理委託契約書、決算報告書等の提示により管理内容や管理状況についても確認します。
(2)長期修繕計画が作成され、修繕積立金が適切に積み立てられているか
マンションの資産価値維持のために必要な長期修繕計画が作成されているか、適切な修繕積立金が確保できているかのチェックも重要です。計画に対して修繕積立金が不足している場合、購入後に修繕積立金が値上げされる可能性が高くなります。また、滞納率が高いと計画通りに大規模修繕等が実施できないおそれがあります。令和2年度総務省の調査結果によれば、3ヶ月以上の滞納が発生している住戸のあるマンションの割合は24.8%に上りますが、築年数が経過しているマンションほど滞納率が高い傾向があります。
(3)売主に管理費等の滞納がないか
売主が管理費や修繕積立金を滞納している場合は、購入者がその債務を引き継ぎます。後でトラブルにならないよう事前に確認しましょう。
(4)賃貸割合が高くないか
新築時は区分所有者が居住しても、経年に伴い各所有者の事情やマンション内の住戸が不動産投資の対象になるなどして賃借人の入居割合が増加します。賃借人の割合が高くなると管理組合の運営に支障を来すこともあり注意が必要です。
将来の建て替え、住み替えなども考慮する
中古住宅は、購入時にはすでに築年数が経過しており、一般的に新築住宅に比べて耐久性等も劣ります。そのため、遠くない時期に建て替えや大規模修繕が必要になることも考えられます。国も既存住宅の流通の促進に力を入れています。中古住宅購入をご検討されている場合は、当社不動産営業本部へご相談ください。安心して既存住宅が購入できるようアドバイスさせていただきます。
藤川工務店
不動産営業本部
長田郁彦