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南海地震に備える 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」この格言は、ドイツ名宰相であるビスマルクの言葉です。自分が経験できないことでも先人たちが経験したこと、すなわち歴史を学ぶことで、沢山の経験を身に着けることが出来ると言う訳です。先人たちは多くの失敗と成功を繰り返し、その経験の中から歴史という形で我々後世の者に貴重な経験談を残してくれています。これを学ばない手はありません。

10年以上前ですが、東京・名古屋にいた頃、「30年以内に東南海地震が発生する確率70%以上」とよく話題にしていました。

高知においても、ここ最近ですが、南海トラフ地震対策が話題になります。今回は、地震について一緒に考えましょう。地震は自然現象、その揺れから避けられない日本、人生100年の時代、地震周期から考えれば、一生に一度は、必ずといってよいほど、大きな地震に遭遇する計算です。

「地震の揺れは自然現象、その揺れを災害にするのは人」という、高知大学防災推進センター岡村名誉教授の言葉に共感します。皆さん、すくなくとも、自宅にいるときに地震に遭遇することを考え、事前に備えましょう。高知平野は、過去何万年に渡って地震で形成された平野だそうです。過去の南海地震の発生を紐解くと、二千??年に起こりうる可能性の地震について、備えるべき時期です。

発生年 地震 Magnitude
1498年 明応地震 8.3
1605年 慶長地震 7.9
1707年 宝永地震 8.6
1854年 安政地震 8.4
1946年 昭和地震 8.0
20○○年 ??地震 ?.?

表は、高知地方気象台HP 過去に高知県に被害を及ぼした地震 | 高知地方気象台 (jma-net.go.jp) からの抜粋です。

Magnitude 0.2の違いで2倍の差が、Magnitude 1.0の差では32倍の地震エネルギーの差となるそうです。備える地震の大きさは専門家でも未知数のようです。しかし、発生する地震で一分以上の長い揺れならば、それは、海溝型地震(南海トラフ、東南海地震)であり、その後、高い津波が沿岸都市を襲います。

水や食料の備蓄も大事ですが、それでは命は守れません。地震災害で、水と食料がなくて死んだひとはいません。まずは、その前に命を守る行動が必要です。過去の地震から、木造二階建ての一階で亡くなられた方がいる、タンスの下敷きや、重い家具・電化製品が凶器と化して、我々に襲って飛んで来ると思って正解です。窓ガラスもガラス製品も割れて床に散乱、素足で歩けば大きな怪我を招く事態です。家具の固定や就寝時、枕元近くに靴は用意していますか?

重症であっても、どんなに大きな怪我をしていても、地震時には、道が遮断または寸断され、救急車や消防車の出動を期待できないと考えましょう。想定される南海地震は、3分もの長い時間で揺れると考えられています。

南海地震に備えるには、まず、①地盤のよい場所の家に住むことがベター。すべての建築物は地盤の上に立っています。皆さんは、お住まいの地盤をご存じですか?

②海面から一定の高さの場所に住む。気象庁では海抜10m以上を推奨し、高知県では、海抜30m以上の場所であれば安全でしょうか?皆さんは、自分の住まいが海抜何mにあるかをご存じですか?海岸近くだけでなく、河川の近くも注意が必要です。

③昭和56(1981)年5月31日以前の家(旧耐震基準)であれば、早速、耐震診断と耐震改修を実施してください。大きな地震でも、命を守ることができる構造に変える必要があります。家は皆さんの命と財産を守るシェルターですから。

④家具は転倒しないように支える、ベッド周囲には大きな家具や物を置かない、割れたガラスを踏まないように就寝時は靴を用意しておく、など、など。シェルターであるべき家が、皆さんにとって、凶器とならないように対策しましょう。

我々は、過去の歴史に学び、後悔のない対策をとっておく必要があります。

 

藤川工務店

不動産営業本部

長田 郁彦

一級施工管理技士、宅地建物取引士

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