「高気密・高断熱」という単語も一般化し、最近は住宅の断熱性能・省エネ性能にこだわるお客様が増えています。国の住宅政策も省エネ・断熱性に力を入れています。ところが、設計時の性能とは別に、実際の断熱性は、住んでいるだけでは正確にわかりません。「暖かいな」とか「涼しいな」という実感はあるでしょうが、「熱損失率が数値でいくつだ」などと実感することはありません。それだけに住宅の断熱性が設計と異なっていたとしても、すぐに違いが発見できない箇所になります。断熱性能を表す記号として、以前はQ値を使っていましたが、現在は、UA値という記号になっています。その値については、別の機会に説明します。そうした数値とは別に、実際の断熱材の施工方法について注意する点があります。今回は、グラスウールを使用している場合の注意事項を挙げます。
1.防湿シートが破れているのは、NG
断熱材グラスウールを包んでいる防湿シートは、グラスウールが遮断した熱の温度差によって発生する結露を防止するためのものです。これが破れているとグラスウール内部が結露しカビが生えて、ひいては病気の原因となることが危惧されます。防湿シートには、破れがあってはいけません。
2.壁の隅々までグラスウールが充填されていないのは、NG
壁の天井付近は、グラスウールの自重で沈下していることがあり、隙間となることが見られます。みなさんも隙間風をご存じでしょう。昔の家は建て付けが悪いこともあり、ちょっとした隙間から風がピューと入ってきて、この隙間風が強いと冷たく感じたものです。これと同様に、断熱性を高めるのは、ちょっとした隙間もなくすことが必要です。断熱材に隙間がないように、特に、壁の上の方の断熱材をチェックすることが必要です。
以上、設計図面では現れない、こうした施工方法をしっかり現場監督にチェックしてもらい、新築工事・断熱リフォーム工事とも、快適な家づくりになるようにすることが必要です。
藤川工務店
不動産営業本部
長田郁彦